リバプール「イスタンブールの奇跡」
フットボールにおいて、地獄から一転、天国を味わう試合などがあります。
今回はそんな試合の代表格と言っていい、
「イスタンブールの奇跡」を紹介します。
04-05シーズンのチャンピオンズリーグ、
ACミラン対リバプールの一戦です。
決勝はイスタンブールのアタリュルク・オリンピヤット・スタディで行われました。
今回主役のリバプールは当時優勝候補ではありません。
グループステージを接戦末ギリギリで突破し、チェルシー、ユベントスなど強豪クラブとトーナメントで当たり、下馬評を覆しながら決勝戦まで辿り着きました。
一方ACミランはまだ欧州ではブイブイ言わせてた時期で、決勝まではマンチェスターUやインテル等の相手に勝ち、順調に決勝まで駒を進めました。
決勝スタメン
今振り返ると、ACミランはスター軍団です笑
リバプールは若きシャビアロンソやオーストラリア代表キューウェル、レジェンドのジェラードなどがいますね!!
試合展開や勝敗についても、やはりミラン有力と見られていました。
このメンバー見るとそうなりますよね。笑
リバプールは敗北濃厚と見られ、キックオフのホイッスルを迎えました。
すると開始早々にリバプールは、ピルロのFKからマルディーニがボレーで合わせさっそく失点します。
そして、39分にシェフチェンコの折り返しにクレスポが2点目を追加。
その4分後、カカのスルーパスから抜け出したクレスポの技ありシュートにより前半だけで、3-0となりリバプールは完全に敗戦ムード。
ハーフタイムの間、ミランのロッカールームではお祭り騒ぎが始まったそうです。
それは、
「優勝はもう約束されたも同然だったから」
リバプール側まで聞こえるお祭り騒ぎ、
しかし、後半にチャンピオンズリーグ史上最高のファイナルと言われる劇場が幕開けします、、
サポーターのチャント共に、
後半からリバプールは、ベニテス監督が勝負に出ます。
DFフィナンに代えてMFハマンを投入、そしてリーグ戦はおろか一度も採用した事のない3バックに変更し攻めに出ます。
すると54分にリーセのクロスから主将ジェラードが頭で合わし1点を返します。
この鼓舞シーンは熱いですね!!
56分にはキューウェルと交代したスミチェルがミドルシュートを突き刺し大仕事をやってのけます。
そして60分、勢いと流れに乗ったリバプールはジェラードがガットゥーゾに倒されPKを獲得。
キッカーはシャビアロンソ、蹴ったボールはGKジダに弾かれます、しかしシャビアロンソがこぼれたボールを押し込み3-3の同点になります。
後にこの6分間は「魔の6分間」と言われます。
同点後、ACミランも怯んだ訳ではなく、延長戦に突入後も幾度となく4点目のチャンスはありました。
しかし、それが入らないんです!笑
トラオレの失点を阻止するシーンやディデクのスーパーセーブなど、ボールがミランゴールに入るのを嫌がる様に弾き出されます。
120分の激闘の末、PK戦での決着となります。
お互いキーパーのセーブがあり、
5人目まで続き、
ミランの5人目のキッカーは何度もシュートを阻まれた、アンドリュー・シェフチェンコ。
そして、ディデクがシュートを阻止!
その瞬間リバプールの欧州制覇が決まり、
これをリバプールサポーターは、
と呼びます。
当時の指揮官アンチェロッティは「理解不能。まるでSFの世界の出来事だった」とし、
絶対に見ないと言っていた試合のビデオを冷静になり翌年に見たそうです。
ミラン主将のマルディーニは、
「イスタンブールの後、セリエAの最終節が残っていたが誰ひとりプレーする気になれなかった。オフに入っても、あの試合のことが思い出されて全然休めない、眠れない夜を過ごした。」
と胸の内を明かした。
そして有名な話が、ガットゥーゾは3点目のPKを献上してしまい、敗戦の責任は私にあるとし、もうミランにはいられないとクラブを去る決意を固めたが、仲の良かったガッリアーニ副会長がガットゥーゾを引き留める為「クラブに残ると言うまでは外には出さない!!」と彼をトロフィールームに9時間も監禁したそうです。笑
悪夢を見たミランですが、2年後にまた決勝でこのカードが実現。
2-1で歴史的リベンジを果たしています👌
ちなみに、このビックイヤーシーズンのリバプールはプレミアリーグでは5位で終えた為、翌年のCL出場権を逃したが、優勝防衛の機会を与える為、特別に翌年のCL出場権を獲得しました。
06-07シーズンからは前年度優勝チームの枠が
設けられ、前年度優勝チームは予選免除となりました。